ピアノ弾くひと仲春の風情見せ
一回生の時から知っている彼女は、白地にチャコールグレーの裾模様のドレスで美しかった。
亜麻色のような長い髪が弾く度に揺れて、女らしい。
ショパンのソナタを全身で表現していた。
時に、激しく、時に甘美に‥‥
恋をしているのかな、と思わせるほど。
コンサート・ホールでの卒業の演奏会には
ブルーのドレスでフルートを吹いた、もう一人の知っている学生さんも。
美しい青い鳥のようだった。
彼女の両腕で支えられたフルートが、きらっと光り、歌っていた。
3月21日(土)