山遠く彩雲たなびき淑気かな

母よりも父に似て来し初鏡

携帯のブルー・ダニューヴ初電話

コートの子両手ひかれて現れる

読初はじぶんの名なりうたふごと


1/1 水曜 









台北へ投函繭玉揺れてをり

初売や街を往き交ふ福袋

乗初の高速道路渋滞す


1/2 木曜 






「乾杯の歌」早朝に聴く三日かな


朝六時十五分からテレビの前。
「バッカスの行進」「乾杯の歌」‥‥いきなりお酒の‥‥
恒例になったCBCの「ニューイヤーズイヴ・コンサート」、今朝の放映を見たくての早起き。

女性指揮者の松尾葉子の華やかなジャケット。
白紋付のテナー井原義則と、美貌のソプラノ松波千津子。
若々しい雰囲気のセントラル愛知交響楽団。
ギターの福田進一は「イベリア」を。
「ラプソディー・イン・ブルー」のピアノはスポーツマンのような竹中勇記彦。

そうです、その会場で迎えた今年です。
コンサート・ホールでのカウント・ダウンが気に入っています。
1/3 金曜 






朝影に咲けば臘梅誇らしげ

やさしさを臘梅の香にとりもどす




1/5 日曜 






新年会終り弦月の空へ出る


周辺には高いビルなどはないから。
田畑も充分に残っているから。
寒い夜風も、しばらくならば心地良い。
1/7 火曜 






雪掻きをするといふひとあの道の


1/9 木曜 






抱きしめてやはらかき子よ雪うさぎ


はしゃぎ過ぎて、椅子といっしょに転んだ。
おとな達もびっくりしたのに、彼女は泣かない。

「だいじょうぶ、です」
いっしょうけんめいで笑っていた。
1/10 金曜 






山茶花やトランプ遊び入門篇


「おうさま」を覚えてくれたみたい。
「おきさきさま」と「おうじさま」そしてジャックは「けらい」と。
それに、このマークを覚えたら、お伽話の手品をしてあげるわ。
1/13 月曜 






寒月に戻れば青き花の香の


昼過ぎに出掛ける頃、柔らかくふくらんでいた蕾。
夕暮に開いたのかしら。
今年初花の一輪。

1/14 火曜 






七並べ出来るのはいつかるた手に


連俳の、洛介さんの句
    願ひごとひとつ七福詣りかな    洛介
に付けてのもの。
「七福詣り」から「七並べ」へ。
だから、かるた はトランプのカード。
- 連排より - 1/15 水曜 






冬の夜をかろきラテンの音流す


で、今流れる曲は「日曜はいやよ」‥‥
今日は木曜日!
1/16 木曜 






寒紅や微笑ににじむひととなり


しばらく会わなかったひと。
最初からあたたかい印象だったけれど、それはいつも変らない。
特に今夜の笑顔には、それに深みが増したようで、とても美しかった。
そんな彼女のための、楽しい集り。
1/18 土曜 






晴ればれと大輪の花室咲きに


彼女が居ると、わたしも元気になる。
わたしだけじゃなくて、皆がそう思っているに違いない。
1/20 月曜 





姿よく立てり水仙造花なれど


実によく出来た造花を飾ってある店。
今日の水仙も楚々として。

そういえば今年、まだ水仙の花を見ていない。
1/23 水曜 






新しきマウス手の中寒卵


1/23 木曜 






裸木や南向き胸反らす鳥


1/24 金曜 






寒の雨とても季節はうつろへり


1/27 月曜 






春を待つ小さな星のやうな花


今日の教室の棚には、臘梅が活けてありました。
わが家のとは少し違う花の形でした。
中の枝は猫柳でしたね。

ええ、わたし、日本画を‥‥
そんな雰囲気でしょ?

先生のおくさまったら、
先日のこと、
このHPをぜ〜んぶ読んで下さったんですって!

ほんとは、その方の写真を載せたいんですよ。
臘梅よりもキラキラした姿を。







 

1/28 火曜 






はらはらと庭へ風花あそび来て


今朝、わたしは幼い女の子と遊んでいた。
「ゆき、ゆき、ゆき!」

  山も野原も綿帽子かぶり
  枯木残らず花が咲く

きっと意味はわからないけれど、歌っている。

  犬はよろこび庭駆けまはり
  猫は火燵でまるくなる

火燵ねえ‥‥知らないよね。
それに、チーコは外で元気だし。
1/29 水曜 






寒梅は蕾のままに夕暮る


1/31 金曜 






冬の海に逢はぬ冬なり海恋し


2/1 土曜 






節分やまじりて愉し五色豆


何日か前にデパートで買った小さな枡型の箱に入った豆。
赤い和紙に、「富久和内」と書いてあった。
仕切られた半分は、細い海苔が付いたもの。
半分は五色の砂糖がまぶしてある。

撒いたのは、ほんの少しだけ。
2/2 月曜