夏は来ぬ真白き花を待つ日々の





5月5日 水曜







川岸に実桜光る昼下り
    この道はよく通っていたのに、こんなに光る実を知らなかった。

    車の窓から見るから?
    まるで宝石のように、葉の周りでキラキラと‥‥

5月6日 木曜







蟻働く朝の陽も汝も眩しくて
    そうなんです。
    わたしは、まだエンジン掛かりません。

5月8日 土曜







母の日の夜ゆゑけだるきJAZZを聴く
    彼女が二十歳を過ぎた頃から知っているから、
    今夜の、おとなの雰囲気にちょっとおどろいた。

    「日曜はだめよ」も歌っていたけれど、
    とっても良い感じのクミちゃんは、CDを出したばかり。

5月9日 日曜







ショパンなど聴かせたき午後の薔薇の色
    まるで、シルクのような花びら。
    プリザーブド・フラワーというんだそうです。



5月11日 火曜







また雨が沙羅つぼみまたふくらむよ

5月13日 木曜







雲の峰越へ亜米利加に着きし頃
    ゴルフって、漢字で書けるのかしら?
      ・
      ・
      ・
    「孔球」と書く、そう教えてもらいました。

5月15日 土曜







紫のつぼみ数へる茉莉花の
    ニオイバンマツリは室内で二月に咲いた。
    庭へ出して二ヶ月ほど、また咲きはじめている。

-連俳より- 5月16日 日曜







額の花ウェディングドレスの写真立
    お祝いを届けたら、
    花嫁になるひとの試着姿の写真が‥‥

    美しい。

    わたしの友達も華やか。

      
5月18日 火曜







雨だれの音夏服のボタン替へ
    この間求めたジャケット。
    メーカーのロゴが入っているボタンが気になっていた。
    わたしには珍しい、そう、牡丹色だから、ステッチに合わせてやはり白がいい。
    でも、手持ちにはない‥‥

    ふと思いついて、そのボタンを裏返してみたら、
    平らなんだもの、これでいいわ!

5月20日 木曜







南風JAZZにメニューの字が踊る
    アルトサックスの池田篤さんの演奏を聴きたくて出掛けた。
    熱演。

    わたしには少しばかり難解なジャンル。
    でも、すごいなあ。

    そして、ちょっと、ごあいさつ。

5月21日 金曜







ウクレレも立て掛けしまま雨蛙
    楽器に触れなくなってしまっている。
    もっぱら聴くばかり。

    久しぶりに奏いてみる?

    ‥‥おたまじゃくしはかえるのこ〜♪‥‥まさか。
5月23日 日曜







夏空に花模様タオルケット干す

5月25日 火曜







雹降るとカルガリー便りオンライン
    20℃でゴルフをしていたら、寒波襲来。
    一転して0℃に、とか。

    ばっかみたい‥‥今日の日本は、爽やかな空だったわ!

    でも、「雹」を使うことが出来ました。
5月26日 水曜







にぎやかな会話に揺れて植田水
    久々の仲間で、郊外の隣町へ食事に。

    お料理も愉しみながら、
    でも、尽きない話。

    あの頃、みんな若かったし、それからセントポーリアの虜になったし‥‥

5月28日 金曜







沙羅一輪十二年目のこの朝に



Click Please♪

5月29日 土曜







あらこれはさつきねとすぐ言ひなほし
    「これ、何の花?」
    ひとつだけ花を取って訊いてみた。

    「つつじ!」

    そう言った彼女だけれど‥‥

    わたしがその区別を知ったのはおとなになってから、だわ。

5月30日 日曜







あぢさゐの化粧し終へし昨夜の雨



あぢさゐのけはいしをへしよべのあめ


6月1日 火曜







ポストへと登る階段落し文
    ‥‥で、
    ポストの中には、絵はがきが入っていました。
    緑の街に、摩天楼が一ヶ所だけに集っている、そんな風景の。
    ノースカロライナのシャーロットからでした。

    三行半よりは、ほんのちょっと長かったかしら?

6月2日 水曜







やはり妻なりて午後五時胡瓜もむ

6月5日 土曜







歌姫の声甘やかに梅雨入して
    東京からの高橋エミ
    スローな歌が素敵。

    トリオの切れのいい音も。



6月6日 日曜







夏闇や照らされて白き天守閣
    十時になると照明は消える。
    天守閣と同じ高さの窓に、その姿が消えてからも、
    わたし達のおしゃべりは続いて‥‥

6月8日 火曜







参鶏湯かくも深紅の七変化

6月9日 水曜







荒梅雨や舞ひ舞ふ可憐なる花の

6月11日 金曜







ででむしのアンテナ立てし花の屋根



あられさんの写真です

6月12日 土曜







旧友の南予ことばや花南天
    宇和島市とホノルルが姉妹都市にと、テレビで。
    よかったですね、とは簡単には言えないけれど。

    数日前に高校の同期会があった。
    行かなかったけれど、話は流れて来る。

    今夜電話で話した友達は、宇和島に住みながら欠席したとか。
    彼女には会いたいと思い続けている。
    「私も行きさらなんだんよ」ちょっとふざけて、自分に丁寧語。
    それが今もかわいい。
6月15日 火曜







さくらんぼ藍染皿にひと盛りに
    「小さな恋人」という山形のさくらんぼを買って来た。
    さわやかな甘さ。

    なのに、
    アメリカンチェリーが赤くて甘かったとか言う者が居て!

    そんなの、このお皿には似合わないし、
    残りの半分は、明日わたしひとりで戴きます。

6月17日 木曜







袋掛け手伝ひしこと十四の頃 
    親友の家の葡萄園は、わたしの家から近かった。
    お父様は早く亡くなられて、お祖父さんが作ってらした。

    よぅく考えてみれば、どうやら袋を外す収穫時だったような気もする。
    なぜなら、帰りにはたくさんの葡萄を貰って来たのだから。
    わたしはそれで葡萄酒を作った。
    それを手伝ってくれた母は、密造の共犯者♪
    母の入院はその翌秋だから、大切なたのしい想い出。

-連俳より- 6月20日 日曜







荒梅雨といふべきや竹しなふ午後

6月21日 月曜







夏大根おろしは甘しニュース消す

6月25日 金曜







鴫焼を並べてみたきこの器
    砥部焼はふるさとのもの。
    これ、キキさんからいただいちゃいました。
    ええ、わたしが<50000>だったのです。

    その少し前に、岡山の顎オッサン宅で<25000>を!
    鮎の甘露煮を送って下さったのですが‥‥
    ほんとうは、その美味しい鮎をこの器に並べたかったですねぇ。

    宝くじ、買わなくちゃ!

6月27日 日曜







金柑の花咲きにけり六月尽
    むし暑い午後の、ひと隅の涼しさ‥‥





6月30日 水曜







慈顔浪漫麻白作務衣の老師かな
    大樹寺の管主さまとのお食事。
    青年のような熱い話し方に、豊かなひとときを。

    同席の、シアトルからの女性実業家は、『徳川家康』の愛読者とか。

7月1日 木曜







青き芥子見しとふ声のはづみをり
    ヒマラヤ芥子の花が、愛媛の山で咲くという。


    Reiさんより -Click please-

7月3日 土曜







アイスティー甘しこれから劇場へ
    最初に来た「タンゴ・アルヘンチーノ」には、大阪まで行ったことを思い出した。
    まったく違う繊細さ、新鮮さの「タンゴ・ヴィーナス」

7月4日 日曜







万緑や坂道にある饂飩店
    ほっとした後だったので‥‥
    冷しうどんの美味しかったこと。
    初めて行ったその店には「讃岐うどん」と書いてあった。
    やはり、四国の味?

7月7日 水曜







暑き日の小声になりし立ち話
    これから出掛けるところの、日傘を差したひとと、
    帰って来たばかりのわたしと。
    でも、3階の彼女の家は風が涼しいそうな。
    わが家?
    この三日間、エアコンなしでは居られない。

7月9日 金曜







涼風やスタッフ若き投票場
    なんでも、投票率は50%を割ったらしく。

7月11日 日曜







白靴をひとりで履く子独りごと
    掬泉さんの連俳の、第二十集のスタート。
    もう、何年になるのだろう。

      向日葵を描いてみたき昼下がり   キキ
      油蝉一心に鳴く昼下がり      正邦

    に続けて。

    この白いサンダルです♪


7月13日 火曜







日傘買ふ男の描写大正期
    一つ、また一つ、明るい色の日傘を開いていく客がいる。
    更紗の柄、麻の傘、しかし、西洋人がさすような、レースのついた白い華やかな傘をくるくると回しては閉じたり開いたりしているのは、おおよそそんな繊細なものが似合いそうにない、大柄な男なのだった。

    「坊さん簪、買うを見た、てか‥‥‥」
    やっとのことでおどけて志真を見やったが、

    購読している雑誌の小説が、今、なんとなくおもしろい。
    はっきり書いてないけれど、おそらく大正のこと。
7月15日 木曜







雷雲に飛行機吸ひ込まれさうに
    ハイウェーの遠く前方に黒い雲。
    カーヴするから、いつの間にか左側に。

    空港へ向って行く一機もグレーで、濃いグレーの雲の中へ。
    稲光がしたらどうしよう‥‥勝手に想像している。

    一度、マレーシアで、機窓に鋭い光が走ったことあるからか。


7月17日 土曜







暮れどきは明日へのしたく日日草




7月19日 月曜







目覚めゐて土用三郎となれる夜半
    歳時記にありました、「土用三郎」
    一昨日が「土用太郎」で、昨日は「土用次郎」

    太郎君、次郎くん、三郎ちゃん‥‥そんな、かわいいものじゃない暑さ!

7月21日 水曜







こころよき木曽川風よ鵜舟待つ

 闇に飛ぶ火の粉鵜篝近づきぬ

  荒縄のみだれ鵜の頭は其処ここに

   疲れ鵜の眼見ゆるや篝火に

    腰蓑は水漬き鵜を抱く鵜匠かな




-7月21日・犬山にて-

7月22日 木曜







Jazzを聴きに白さるすべり淡き夕
    一週間で禁断症状‥‥?
    暑い日ばかりつづくからかな。

    今夜の演奏、たのしかった!
    ギターとベース、それにサックスとフルートを吹く青年は初めて。
    ヴォーカルのクミちゃん、今夜もすてき。
7月25日 日曜







由比ヶ浜夏台風とすれ違ふ
    沼津へ。

    昨年の春、義妹に案内されて行ったお店の魚料理が美味しかったから、
    東京へ行くのなら、台風を避けるために、一日早く沼津まで行こう、と。
7月29日 木曜







もう一度ゆめさがさうよ虹立てば



7月30日 金曜







異次元へときどき戻り水中花
    おみやげに兼題の一つの水中花。
    水中花はこのグラスに一番似合った。

    だから、わたしはお花の水割りに酔ってます。










7月31日 土曜







夏の果たのしむ室温30度
    でもねえ‥‥
    座って、こうしているのは良いとしても。

    家事をする気にはなりませぬ。
    エアコン・オンですね!

8月4日 水曜







句集横目に夏大根の葉を茹でる
    今朝メールを読んだのに、もう句集が届いた。
    夕方のキッチンへ行きたくない‥‥

    でも、葉っぱは茹でて、刻んで炒め煮に。

    いいじゃない。
    今夜はひとりだもの。

    一冊の方のカバーには譜面が。
    ね、ちょっと奏いてみたいじゃない?
    お母さまのために書かれた曲。
    エレクトーンで、Brassの、らしき音にセットして。
    え?なにこれ!
    臨時の♭ばっかし‥‥でもなんか、うん、こんな感じかな♪

    池田澄子さま。
    やはり夕食後、ゆっくりと読ませていただきます。

8月5日 木曜







爆竹の音ながれ来て夏まつり
    通りを三つ先へ行けば、神輿も五万石踊も見えるのに。
    お仲間の数人は、そう、「よさこい」を元気良く踊っているはず。

    あの子、見に行ったかしら?

    明日は花火大会。

    そして、明日は立秋。

8月6日 金曜







春へ