シャンパンの甘さに酔はず去年今年

ビロードの紺深きこと明の春

ポルカ弾む新春の花揺らしめて


1月1日(日)





山肌に雪光るカーヴ足助路は


1月2日(月)





ポタラ宮のスケッチ映ゆる賀状あり


1月3日(火)





縫初やこころに決めしことひとつ


1月4日(水)





紹興酒二杯だけとし新年会


−連俳より−
1月5日(木)





初荷旗に取囲まれて駐車場


取り寄せてもらったストーヴの部品を貰いに行ったのだけれど、
このところ調子の良くないファクシミリのコーナーで眺めているうちに、買い換えようということに。
考えてみれば十年以上使っていたのだから。

新しいのは普通紙用で、
取り替えた途端に送られて来た書類は、A4で見やすい。
くるり、とならないし♪

1月7日(土)





碧き壷咲かせよ臘梅その莟


かさかさと音して黄色の葉は落ちる。
葉を払った指で、切ってもいい枝を持つ。

部屋に活けたなら、このつぼみ、開きそう。
1月9日(月)





口中にタービン廻る寒の風


三十分で、クッタクタ‥‥

あと二回で白い橋が架かるイメージに頼って。
機械音の合間に聞こえるBGMのバロックのメロディーを、
頭の中で鍵盤に載せてみたりしても。
1月10日(火)





臘梅よ鏡に映す少女の脚


玄関に活けたら臘梅は開いた。
馥郁とした香が漂い、
女の子はちいさなお鼻をくっつけた。


Click Please♪
1月12日(木)





オートロック開く明るさ枇杷の花


夕食に招かれたお部屋に、
この冬はまだ見ていない花が活けてあった。

開きかけた花は、かすかに、あのやさしい匂いを放っていた。



1月14日(土)





をさなごのむねのたかなり冬すみれ


1月15日(日)





冬椿一斉に咲き白さかな


いつもならば、十二月に見る姿。
小鳥が飛んでくるのも、そう。、

遅れたから、余計に嬉しいということもあるもので。
庭には臘梅もやっと咲き揃った。

1月18日(水)





大寒の夕はしづかに野菜煮て


大きな京芋を、丁寧に剥く。
剥きながら、切りながら、煮ながら、思う。
やはり、この季節にはじゃが芋でも里芋でもないわ、と。

1月20日(金)





近江路や雪の中往く子と父と


石山の雪の道を二十分歩いたと携帯電話。

こちらは明るい朝を迎えて、のんびり。

それぞれの雪道を歩く姿を想像してみる。
一緒に行かないところが、らしいなと思う。

やはり大津は懐かしい。
子はあの頃を覚えてもいないだろうけれど。

1月23日(月)





ななとせを経し師の手なり紅椿


年賀状の整理をしていたら、その中にこんな葉書があった。
わたしの母を知ってらしたから、この絵葉書を選んで下さったのだと、そう思ったし、
今もそう思う。

デジカメで撮ってみた。
これ以上古くならないように。




1月26日(木)





寒紅や若き子に頬ゆだねをり


数年ぶりでSの化粧品に戻ることにした。
売場の店員さんにファンデーションの色を選んでもらう。
化粧水で拭き取った頬にセンサーらしき物を当てると、
モニターのグラフの、ある位置に印が付く。
けっこう面白がりながら、「この色が合いますね」という言葉には素直に頷く。

彼女達の肌は透明感があり美しい。
ほんとうに美しいと思って眺めている。

テストした後のわたしの頬には、下地クリームを付けて、なんとかを塗って、
選んだ色のファンデーションを載せてくれる。





品物の入った紙袋を渡して。
「アンケート用紙を入れておきます。
サーヴィスやお気付きのことをお書きくださいませ」

「あ〜ら、パーフェクトよ!」
ほ〜んと、そう思いました。

1月29日(日)





おでん煮る今冬初めてかもしれぬ


もう直ぐ二月。
もう直ぐ春。

1月30日(月)





麦の芽ややさしきやさしきピアノ曲


2月1日(水)