掌に残る寒さに息をかけ 洛介 まどろみし息熱くなり春の風邪 洛介 春雨の湿り久しく待ちにけり 洛介 山影の遥かになりぬ春夕 洛介
うららかや児は菱形のあくびして ぽっぽ 佐保姫に授かりし嬰児の便りかな 掬泉 春の雪今宵ひそかに積るやも Yukuko 屋根に降り色残らずや春の雪 洛介
下萌の静かに息をしてをりし 洛介 杜影の黒きを照らし春の月 洛介 白魚に温もりありし春の宵 やんま 雲間より射す陽光も春めきし 洛介
春寒の夜透き通る心地して 洛介 遠山の雲に沈みし冱返る 洛介 白梅の枝ぶりに季の宿りたる 洛介 かくれんぼするには足らず春の雪 Yukuko
菠薐草青々とした味ありし 洛介 春風よ初音ゆりかご母の胸 小春日和 もう少しもう少しかな春浅し 洛介 薄墨の夜半の空にも余寒あり 洛介
そっと手を伸ばして受けし春時雨 洛介 気掛かりな言葉匂ひし桃の花 Venus 恋猫の冷たき毛並撫でしこと Yukuko 強風に散るも耐えるも梅の花 洛介
車窓より流るる杜も春浅し 洛介 語らひの余韻ただよひ黄水仙 Yukuko ゆらゆらと光見つめし春の川 洛介 曇天の雲きれはじめ春を見し 洛介
夕東風に草木も人も震へたり 洛介 鳴く雲雀空に探すは何処なり 洛介 草の芽の小さきことの愛らしき 洛介 桜鯛ふるさとよりの声いろいろ Yukuko(連俳より)
赤ら顔明かりともして初節句 青海(連俳より) 一年のほこり払ひし雛飾り 洛介 卒業の打振りし手に花のあり 洛介 気が付けば山影薄く霞立ち 洛介
垂れこめる雲も明るし春の雨 洛介 啓蟄や砂風呂出でし漢の背 KAYO(連俳より) 喧噪の街にも春の兆あり 洛介 路地裏に春めく香り漂ひぬ 洛介
湯通せば若布みどりの色放ち 洛介 日の色にぽつんと咲けり鼓草 洛介 雨雲も物憂気なりや春の空 洛介 沈丁花闇の向かうに闇ありぬ 桂花
人々も棲家を出づる春の夜 正邦(連俳より) 鶯の初音や雨の降りさうな 桂花 叫天子パソコンメンテナンス中 桂花 春の風邪頭を掻いてゐたりけり 桂花
鷽替の接待うどん二つ食ふ 桂花 長閑なり風に揺れたる鉢の花 洛介 ほろ酔ひの家路の月のおぼろなる 洛介(連俳より) 万作や枯木の隣黄の衣 豊
道のべに柳一本西行忌 豊 元はこれ北面の武士西行忌 豊 緩急急やがて炸裂猫の恋 豊 小女子のひと籠に会話はづみをり Yukuko
春雨に煙る景色の儚きや 洛介 薄き闇を切り裂く白さ花木蓮 fu(連俳より) 漣に光り留めし春の川 洛介 花影に梅の香のしてほのかなり 洛介
日を浴びてまろく明るし梅の花 洛介 花色に霞みし郷の景色かな 洛介 紅白の色を競ひて梅の花 洛介 梅の枝縫ひて悠々雲流る 洛介
霾の我が家が遠くなりにけり 桂花 遠ざかり彩雲となる梅林の 洛介 吹き荒ぶ雨音を聞く春嵐 洛介 春雨の香の強くなる日暮れかな 洛介
それぞれの色に旅立つ卒業式 あつこ(連俳より) 春風やトランプひとりあそびなど Yukuko 日向にも影にもありし春の色 洛介 菜の花の薄暮に残る色のあり 洛介
花冷えや鼻をくすぐる昼の風 桂花 花菜風仏でありぬ父の母 桂花 彩りし季にひっそりと竹の秋 洛介 車窓から花灯り射す初桜 洛介
花ぐもり青紫に暮るるかな 桂花 春愁の薄日射す窓開けてをり 洛介 春雨の音無きままに濡れしかな 洛介 小説のインクを辿り夜半の春 洛介
菜の花や真っ赤に暮るる西東 桂花 晴れやかに飛行機雲に散る桜 洛介 桜見て遠回りする家路かな 洛介 山歩き片栗の花見つけたり さくら(連俳より)
屋形船のぼりくだりの花の宴 KAYO 鶯や眠気眼の双眼鏡 桂花 目覚めゐし鶯の谷渡りかな 桂花 風光り木々光りけりしんとして 洛介
自慢してゐる鶯の谷渡り 桂花 雨後の風花散りばめてゐたりけり 桂花 鶯や谷(やつ)に伽藍のある如く 重陽 雨降りて雫も咲きし桜かな 洛介
散り急ぐ桜の何を思ひけり 洛介 永き日の明るきままにうたた寝し 洛介 恋人よ花が散るからさやうなら Ve すかし絵の枝見上げたり散る桜 洛介
伊勢の海船もろともに遠霞む ぴょーとる(連俳より) 明るいよ雨後の菜の花畑かな 桂花 花の雨触れては脆きトタン板 桂花 散り浮きし花の船ある水たまり 洛介
雨やみて椿は落ちて地に咲けり 洛介 パソコンにお誂へむき春の風邪 Yukuko 蕗の薹天ぷらにして皿に盛り 青海(連俳より) クレヨンの紫にほふ春の闇 桂花
夕風に木々の葉騒ぎ夏近し 洛介 年月は逆さにゆかず春の闇 トン子 八重桜眺めていつか影長し 洛介 木蓮の雨に頭を叩かれし 洛介
ひるがへりたちまち遠し初つばめ トン子(連俳より) 院内の床の白さや春暑し 桂花 雨呼ぶや軒をかすめしつばくらめ 洛介 口上は朝掘りたかんなとて到来 トン子
川岸に杉菜の色のみづみづし 洛介 燕の巣ここは駅前時計店 KAYO(連俳より) 玄関に泥を散らして燕来る 掬泉 ほろ酔って朧過ぎたる夜道かな 桂花
ちるさくら移ろふ時の証かな 正邦(連俳より) 一生の欠伸をしたし春の暮 豊 雨しづくたたきしもはや花の屑 洛介(連俳より) 荒れさうな空に柳の静かなり 洛介
小さき手の動きに合はす花筏 fu(連俳より) 古草のひときは高く立ち尽くし洛介 角曲がり遠くに赤き躑躅かな 洛介 子をあやし我が身もまわる風車 小春日和(連俳より)
足元をかすめて消えぬつばくらめ トン子 ぴょーとるさんの「桜」を三枚頂きました。その三枚目です、いいえ、とっておきの美女です! |