ともだち
「蠱惑」  by Pyotr


    薄氷にきらきら光る波紋あり 洛介
    掌に残る寒さに息をかけ 洛介
    まどろみし息熱くなり春の風邪 洛介
    春雨の湿り久しく待ちにけり 洛介
    山影の遥かになりぬ春夕 洛介

      羽ありて小さき旅靴春来たる KAYO
      うららかや児は菱形のあくびして ぽっぽ
      佐保姫に授かりし嬰児の便りかな 掬泉
      春の雪今宵ひそかに積るやも Yukuko
      屋根に降り色残らずや春の雪 洛介

    夕風に薄目を開けし春の月 洛介
    下萌の静かに息をしてをりし 洛介
    杜影の黒きを照らし春の月 洛介
    白魚に温もりありし春の宵 やんま
    雲間より射す陽光も春めきし 洛介

      ヴァレンタイン夫の義理チョコ待つ母子 ぽっぽ
      春寒の夜透き通る心地して 洛介
      遠山の雲に沈みし冱返る 洛介
      白梅の枝ぶりに季の宿りたる 洛介
      かくれんぼするには足らず春の雪 Yukuko

    携帯でメール送れる春たより あられ
    菠薐草青々とした味ありし 洛介
    春風よ初音ゆりかご母の胸 小春日和
    もう少しもう少しかな春浅し 洛介
    薄墨の夜半の空にも余寒あり 洛介

      夜の底ほのかに白し春の雪 トン子
      そっと手を伸ばして受けし春時雨 洛介
      気掛かりな言葉匂ひし桃の花 Venus
      恋猫の冷たき毛並撫でしこと Yukuko
      強風に散るも耐えるも梅の花 洛介

    木の上に小さく点り春の星 洛介
    車窓より流るる杜も春浅し 洛介
    語らひの余韻ただよひ黄水仙 Yukuko
    ゆらゆらと光見つめし春の川 洛介
    曇天の雲きれはじめ春を見し 洛介

      紅白の梅咲き揃ふ今日の日に Yukuko(えつじ〜さんのお祝いに)
      夕東風に草木も人も震へたり 洛介
      鳴く雲雀空に探すは何処なり 洛介
      草の芽の小さきことの愛らしき 洛介
      桜鯛ふるさとよりの声いろいろ Yukuko(連俳より)

    東風に乗り焼玉の音したやうな ぴょーとる(連俳より)
    赤ら顔明かりともして初節句 青海(連俳より)
    一年のほこり払ひし雛飾り 洛介
    卒業の打振りし手に花のあり 洛介
    気が付けば山影薄く霞立ち 洛介

      雪解水はだか電球山の小屋 トン子(連俳より)
      垂れこめる雲も明るし春の雨 洛介
      啓蟄や砂風呂出でし漢の背 KAYO(連俳より)
      喧噪の街にも春の兆あり 洛介
      路地裏に春めく香り漂ひぬ 洛介

    降りさうで降らぬも哀し春の空 洛介
    湯通せば若布みどりの色放ち 洛介
    日の色にぽつんと咲けり鼓草 洛介
    雨雲も物憂気なりや春の空 洛介
    沈丁花闇の向かうに闇ありぬ 桂花

      風有りて窓鳴らしゆく夜半の春 洛介
      人々も棲家を出づる春の夜 正邦(連俳より)
      鶯の初音や雨の降りさうな 桂花
      叫天子パソコンメンテナンス中 桂花
      春の風邪頭を掻いてゐたりけり 桂花

    貝雛に眼を遊ばせて長電話 Yukuko
    鷽替の接待うどん二つ食ふ 桂花
    長閑なり風に揺れたる鉢の花 洛介
    ほろ酔ひの家路の月のおぼろなる 洛介(連俳より)
    万作や枯木の隣黄の衣

      纜を解く声遠き朧かな
      道のべに柳一本西行忌
      元はこれ北面の武士西行忌
      緩急急やがて炸裂猫の恋
      小女子のひと籠に会話はづみをり Yukuko

    春北風黒雲白雲西東 桂花
    春雨に煙る景色の儚きや 洛介
    薄き闇を切り裂く白さ花木蓮 fu(連俳より)
    漣に光り留めし春の川 洛介
    花影に梅の香のしてほのかなり 洛介

      鳴く鳥の梅ついばみし日和かな 洛介
      日を浴びてまろく明るし梅の花 洛介
      花色に霞みし郷の景色かな 洛介
      紅白の色を競ひて梅の花 洛介
      梅の枝縫ひて悠々雲流る 洛介

    群青の惜しむ春裂く式次第 小春日和 (連俳より) 
    霾の我が家が遠くなりにけり 桂花
    遠ざかり彩雲となる梅林の 洛介
    吹き荒ぶ雨音を聞く春嵐 洛介
    春雨の香の強くなる日暮れかな 洛介

      麗らかに目に映るものやはらかき 洛介
      それぞれの色に旅立つ卒業式 あつこ(連俳より)
      春風やトランプひとりあそびなど Yukuko
      日向にも影にもありし春の色 洛介
      菜の花の薄暮に残る色のあり 洛介

    三椏の花や仏間の匂ひする 桂花  
    花冷えや鼻をくすぐる昼の風 桂花
    花菜風仏でありぬ父の母 桂花
    彩りし季にひっそりと竹の秋 洛介
    車窓から花灯り射す初桜 洛介

      ラビットや花も嵐も踏み越えて やんま
      花ぐもり青紫に暮るるかな 桂花
      春愁の薄日射す窓開けてをり 洛介
      春雨の音無きままに濡れしかな 洛介
      小説のインクを辿り夜半の春 洛介

    やはらかき女患の指や花日和 桂花
    菜の花や真っ赤に暮るる西東 桂花
    晴れやかに飛行機雲に散る桜 洛介
    桜見て遠回りする家路かな 洛介
    山歩き片栗の花見つけたり さくら(連俳より) 

      鎌倉へつづく道のべ諸葛菜 掬泉(連俳より)
      屋形船のぼりくだりの花の宴 KAYO
      鶯や眠気眼の双眼鏡 桂花
      目覚めゐし鶯の谷渡りかな 桂花
      風光り木々光りけりしんとして 洛介

    一言も二言も増え浅蜊汁 fu
    自慢してゐる鶯の谷渡り 桂花
    雨後の風花散りばめてゐたりけり 桂花
    鶯や谷(やつ)に伽藍のある如く 重陽
    雨降りて雫も咲きし桜かな 洛介

      若駒や三河の武士の物語 Yukuko(連俳より) 
      散り急ぐ桜の何を思ひけり 洛介
      永き日の明るきままにうたた寝し 洛介
      恋人よ花が散るからさやうなら Ve
      すかし絵の枝見上げたり散る桜 洛介

    散りてなほ地に彩りし桜かな 洛介
    伊勢の海船もろともに遠霞む ぴょーとる(連俳より) 
    明るいよ雨後の菜の花畑かな 桂花
    花の雨触れては脆きトタン板 桂花
    散り浮きし花の船ある水たまり 洛介

      どうだんの花ちらちらと白き朝 Yukuko
      雨やみて椿は落ちて地に咲けり 洛介
      パソコンにお誂へむき春の風邪 Yukuko
      蕗の薹天ぷらにして皿に盛り 青海(連俳より)
      クレヨンの紫にほふ春の闇 桂花

    夕風に木蓮の香のしみてをり 洛介
    夕風に木々の葉騒ぎ夏近し 洛介
    年月は逆さにゆかず春の闇 トン子
    八重桜眺めていつか影長し 洛介
    木蓮の雨に頭を叩かれし 洛介

      うつむきて雨に打たれし残花かな 洛介
      ひるがへりたちまち遠し初つばめ トン子(連俳より)
      院内の床の白さや春暑し 桂花
      雨呼ぶや軒をかすめしつばくらめ 洛介
      口上は朝掘りたかんなとて到来 トン子

    目の乾き咽の渇きも春疾風 桂花
    川岸に杉菜の色のみづみづし 洛介
    燕の巣ここは駅前時計店 KAYO(連俳より)
    玄関に泥を散らして燕来る 掬泉
    ほろ酔って朧過ぎたる夜道かな 桂花

      春雷の転がるを聞く部屋の隅 洛介
      ちるさくら移ろふ時の証かな 正邦(連俳より)
      一生の欠伸をしたし春の暮
      雨しづくたたきしもはや花の屑 洛介(連俳より)
      荒れさうな空に柳の静かなり 洛介

    石南花の色強くして日を浴びし 洛介
    小さき手の動きに合はす花筏 fu(連俳より)
    古草のひときは高く立ち尽くし洛介
    角曲がり遠くに赤き躑躅かな 洛介
    子をあやし我が身もまわる風車 小春日和(連俳より)

      国民の休日の空真つ平ら 桂花
      足元をかすめて消えぬつばくらめ トン子


ぴょーとるさんの「桜」を三枚頂きました。その三枚目です、いいえ、とっておきの美女です!