ともだち



    遠き日の想ひを連れて螢飛ぶ fu
    優曇華のほんのり青し風に耐へ 洛介
    青草の香のいとほしき五月晴 洛介
    あぢさゐのピンクの傘は誰がさす Yukuko
    太陽も暈をかぶりて梅雨の来る 洛介

      紫陽花のゆらぎうつろひ人の妻 KAYO
      知らぬふりする女ありて芥子の花 KAYO   
      そよそよと水田になびく早苗かな 洛介
      雨蛙一際高く通夜を鳴く 掬泉 (連俳)
      虎が雨死んでしまった恋の墓 KAYO (連俳)

    紫陽花のひと枝雨の道祖神 fu
    晶子忌や黙って雨の道祖神 fu (連俳
    しんといふ音淋しかり木下闇 洛介
    野仏やてんとう虫のイヤリング KAYO
    扇風機一味をどんと蕎麦を喰ふ KAYO

      幼き日杏子の味の遠かりき 洛介
      はらはらと瞼に落ちし竹落葉 洛介
      今は梅雨?ホントに梅雨?と草の言ふ fu
      そよ風に葉の散るごとき夏の蝶 洛介
      裏路地のサツキの盆に見ず知らず KAYO

    梅雨寒に震へし庭の草木かな 洛介
    我が耳に咲くすずらんの花ピアス あつこ
    葉に残る雨粒にのる蝸牛 洛介
    銀ピアス気持を贈る梅雨の星 通りすがり
    雨水の鏡に映る五月晴 洛介

      しづく跳ね天の羽衣白紫陽花 小春日和
      雨垂れを見つめてをりし夏至の夕 洛介
      井戸水の指刺す痺れ半夏生 fu
      無垢を張る垂涎の的白紫陽花 小春日和
      紫陽花や雨の匂ひの曲がり角 洛介

    白紫陽花会釈忘れぬ小ぶり顔 小春日和
    山梔子の花のかほりも濡れてをり 洛介
    いつの日に鬼灯の花膨らむや 洛介
    サルビアの一房揺れし雨模様 洛介
    遠き日の蚊帳吊草の爆ぜる音 ぴょーとる (連俳

      迷ひ来し髪切虫を逃がしたり 洛介
      アルプスに六甲颪夏の宵 ぴょーとる
      短夜に雨を忘れし朝かな 洛介
      うつつより夢の恋しき昼寝かな 洛介
      端居の子サンダル飛ばし膝八つ Yukuko (連俳)

    北風に絵馬のうさぎも跳ねまはる SHUKO
    夏帽子風打つ音や花供養 小春日和
    文月に夕餉忘れて花を押し 小春日和
    花の命受けて手折りし初夏の空 小春日和
    夕凪を追ひて暮れ行く浜に立ち 洛介

      緑蔭の早や伸びし先五輪塔 洛介
      甍にも産毛を立てし夏の雨 洛介
      晴れてなほ姿浮ばじ天の川 洛介
      七夕の星降る夜に会へぬ君 Terumin
      真珠ほどの夢ひとつぶを星まつり Yukuko

    片蔭を出でて忙しき子連れ鴨 掬泉 (連俳
    緑蔭の小さき墓より風の来る KAYO (連俳
    飛び込めよ梅雨の隙間の遊園地 SHUKO
    デイズニーランド星空震はす初花火 SHUKO
    ひっそりと梅雨明けを待つ雷門 SHUKO

      つる揺らしのうぜんかづら赤くあり 洛介
      踏み分けて気持ち良きかな草いきれ 洛介
      空蝉の想ひのたけかそよと風 fu
      暑い日は名誉挽回茄子カレー SHUKO
      天の川レンズの先で雲隠れ 小春日和

    扇持ちほっと安らぐ心地なり 洛介
    雨落ちて彼方も煙る海開き 洛介
    うたかたの雨は上りて青嵐 小春日和
    袖濡るる父の忌日の蝉時雨 小春日和 (連俳)
    見開いて濡れて遠のく白き薔薇 小春日和

      虹立てば花びらの先に風ありて 小春日和
      思ひ出を辿れば夏の雨となり 洛介 (連俳)
      夏の夜の午前0時のダージリン ありみ
      病葉のことりと落ちし夜深き 洛介
      白南風や波立たせるもみづたまり ありみ

    ため息すすこしもやまぬ送り梅雨 ありみ
    昼の川花火桟敷の杭並び Yukuko
    向日葵の背の高さ見し眩しかり 洛介
    向日葵やかんらかんらと笑ひけり KAYO
    旧居にはおれんぢ色の凌霄花 Yukuko

      名も知らぬ花なれど笑み水中花 洛介
      空蝉のはらりと落ちし夕暮れの 洛介
      凛として花崩さずに淡き蓮 小春日和
      どの風か受けて佇む迷い蓮 小春日和
      咲く時を思惟の姿の蓮蕾 小春日和

    思ひ出を辿れば夏の雨となり 洛介 (連俳)
    灼けた背に天気雨降る夏休み 洛介
    酔ひざめの空恋しかり夏の夜 洛介
    熱持ちしサングラス色の空となり 洛介
    うつむきし日盛りの影黒くあり 洛介

      初恋の談義幾度もビール飲む KAYO
      癌快癒肩叩き合ふ黒ビール KAYO
      七月の空に金星も輝いて ありみ
      雲の峰眺めていつも遠かりき 洛介
      雑踏のふと途切れたり夜の秋 洛介

    水浴びの歓喜の空の雲一条 ぴょーとる (連俳)
    夜半に聞く迷ひし蝉の声哀し 洛介
    夏休み団地の公園僕ひとり KAYO (連俳)
    花時計サルビア多く使はれて Yukuko (連俳)
    欠けて満つ夏の月見る小半時 掬泉 (連俳)

      熱帯夜手札に武器のひとつもなし 匙女
      仰ぎ見る目に降り注ぐ花火かな 洛介
      引きてなほ猛々しくも土用波 fu
      もくもくともくもくと湧く入道雲 あつこ
      縁台に融けて夏足袋恥らへり fu (連俳)

    ほんのりとうつつとなりや走馬灯 洛介 (連俳)


写真はぴょーとるさんの作品です