ともだち




柊の花白く群れ初々し 洛介
畳目に柊の花逢ひ落ちて 小春日和 (連俳より)
しんとして花柊の葉の尖り 洛介
かそけきは花柊のかをりかな Yukuko
三つ四つ集まりて喋る花柊 あつこ
柊の葉の色の濃く花淡し 洛介
柊の小さき結晶花の笑み 小春日和
ちまちまと花柊の白い音 小春日和
待つことは吐息となるや花柊 小春日和
柊の籬につひぞ花を見ず 掬泉



    かさかさと枯草の鳴る風の道 洛介
    観音の頬ふくよかで初時雨 KAYO
    誰そ彼に影薄くして冬めけり 洛介
    いつ散るや日溜まりに咲く帰り花 洛介
    冬の朝温かき床蹴り出でませ ぴょーとる


      小春日や木々の宴のなごり径 ぴょーとる (連俳より)
      からからと掃き寄せられし落葉かな 洛介
      熟れ落ちし実の色も濃き柿落葉 洛介
      高層の影暗く伸び冬の川 洛介
      カサコソの音は後から枯葉道 fu(連俳より)


    風聞くや漬けたる蕪味はひつ 洛介
    シャンソンを聴くあの曲も冬めく夜 Yukuko (連俳より)
    空っ風奥の近道猫の道 やんま
    雲流れほどけて行きぬ冬日和 洛介
    触れる肌いつもと違ふ日向ぼこ 小春日和


      しんしんと身を震はせし冬の月 洛介
      旋律の後に残るは冬の夜 あつこ (連俳より)
      色付きし葉を舞ひ落とし冬の雨 洛介
      木枯しに遠き山影冴え渡り 洛介
      日の陰に吹き寄せられし落葉かな 洛介


    二人してラーメン啜る冬の夜 さくら (連俳より)
    暮れる日も残る紅葉も朱となりぬ 洛介
    雪しまきノラなる女と滅びゆく KAYO (連俳より)
    風花や黄昏時の道惑ひ 掬泉 (連俳より)
    冬日向辿りて歩く帰道 洛介


      木枯しや道標の右進みけり にゃろ
      遠かりし星従へし冬の月 洛介
      落つる陽に紅きさざんか色冴えて トン子 (連俳より)
      冬紅葉黄と緋色なる影落とし 洛介
      足下をさらふ落葉の舞ひ上がり 洛介


    枝越しのモザイク模様冬木立 洛介
    たゆたひつつ朝霧消ゆる那智の滝 トン子
    やや厚きセーター選ぶ午後の風 Yukuko
    冬黄葉さらに舞ひ来よ敷き詰めよ Yukuko
    枯草の優しき色もそよぐ音も 洛介


      変幻のイルミネーション X'mas 重陽
      電飾のトナカイ駈ける X'mas 重陽
      朝より文庫を開く日向ぼこ 洛介
      かさといふ枯葉の落つる音のして 洛介 (連俳より)
      よろよろと居場所惑ひし冬の蠅 洛介
    たき火からゆかしく香る子らの芋 正邦 (連俳より)
    低木も紅葉の散りて彩られ 洛介
    夜目にただ細々として枯柳 洛介
    短日に早や翳り行く窓辺かな 洛介
    焼きいもに忙しくなる口の中 青海


      寒禽の目を閉じてをり風に耐へ 洛介
      京の寺冬枯れよろし尼の装 KAYO
      冬雲の乱れて深き空のあを トン子
      見て!と言ふ小さき手の中冬苺 ぴょーとる (連俳より)
      家々の窓呼び渡り虎落笛 洛介


    紅き実を啄む鳥よ冬木立 fu (連俳より)
    案内は波にまかせし浮寝鳥 洛介
    セーターの袖のほつれの気になりぬ 洛介
    枯芝を入り日の撫でる如くなり 洛介
    あの邦のあの街角の大聖樹 Yukuko(連俳より)


      鳥鳴きて唯立ち尽くし冬木立 洛介
      池巡る時も止まりし初氷 洛介
      音たてて瞬けるかな冬の星 洛介
      夕風の冷たきことの心地良き 洛介
      冬の恋ひとつのポッケで指遊び KAYO


    岡崎の夜景二人占めクリスマス あつこ(連俳より)
    朝霜に昇りたる日の照り返し 洛介
    シュトーレン七日待てるか賭けにけり 匙女
    消灯の窓辺に青し冬の月 洛介
    朝日差す川面にひそと冬の鳥 トン子


      街の灯も慌ただしきや十二月 洛介
      ふっと見し手の甲にあり年の暮 洛介
      午後の陽にビルそれぞれの日向ぼこ Yukuko
      夜の道街灯に息白く見え 洛介
      いまふたり終ひの客なり帰り花 KAYO(連俳より)


    極月や月満ち来たる世紀末 掬泉(連俳より)
    目を閉じて香にも浸りて柚湯かな 洛介
    しろがねのまばゆき冬至の月昇る トン子
    ミレニアム日々近づける年用意 トン子(連俳より)
    寒空に鳥一羽飛ぶ淋しかり 洛介


      空を見て星を数えつクリスマス 洛介
      残り日と忘れざる日と古暦 洛介
      行く年にやり残したる事ばかり 洛介
      幕引きは末と云ふべき霜夜かな 小春日和(連俳より)
      冬うらら姪の婚約成りしとふ トン子


    年の夜の空気の肌に染み入りぬ 洛介
    年暮るる夜の深閑として過ぎて行き 洛介(連俳より)
    光陰のいよよ流るる去年今年 掬泉(連俳より)
    つかの間の風移ろいて奴っこ凧 やんま
    元旦の食卓にこそ憩いあり 洛介


      雑踏に鳥居見上げし初詣 洛介
      三日なり生れながらの華やかさ Yukuko
      節のもの添へし弁当初仕事 トン子
      過ぎ去れば早や懐かしき三ヶ日 洛介
      君がため若菜摘みたし畦遠く 小春日和


    団欒の声と日差しの風邪の床 ぴょーとる(連俳より)
    読初は忘れてをりし文庫かな 洛介
    小寒の空やはらかく蒼みけり 洛介
    七種の名を指折りつ呟けり 洛介
    冬ざれの大原の里陽の淡く トン子


      落葉踏み尼君もしや出でまさむ トン子
      ただ冬の陽射し女人の陵に満つ トン子
      路地わたる風に草木の色冴ゆる 洛介
      三寒の続かぬうちに四温かな 洛介
      湯豆腐や子は外つ国の旅なかば トン子


    雨の降る成人の日の朝となり 洛介
    吹く風にもて遊ばれし寒雀 洛介
    鈍行の窓に差し込む雪の色 正邦(連俳より)
    老猫の開けて閉めざる隙間風 掬泉
    椋鳥に目白の番追われけり 掬泉


      初うぐひす花を揺らして翔びたてり Yukuko
      初雪のさらさらと傘叩く音 洛介
      閉めること教えて猫の冬日向 KAYO
      身をかがめ傘に隠れし寒の 洛介
      雪山を抜けて着きたる温泉地 青海(連俳より)


    松過の入り日の色の淡かりき 洛介
    咲きながら散るも爽かに寒椿 重陽
    冬草に光を添へる天気雨 洛介
    日溜まりを集めてをりし冬薔薇 洛介
    寒灯のぽつりぽつりと点り出し 洛介


      三っつ四つ伊予柑を入れ初湯焚く fu(連俳より)
      臘梅の早や咲き染めし香りかな 洛介
      寒の雨降る街を見し坂の上 洛介
      湯布院や湯豆腐の香はあまかりし Yukuko(連俳より)
      大寒に背を伸ばしたる草のあり 洛介


    ポインセチアの赤褪せることなきあはれ トン子
    日脚伸ぶ埠頭へ渡る橋の上 洛介
    元日の夜空見上げて汁粉かな あつこ(連俳より)
    賽銭の頭に弾く初詣 さくら(連俳より)
    寒月の煌々として影蒼し 洛介


      仔猫追う赤子の尻や初写真 KAYO(連俳より)
      北風に演奏の音の残りたる 洛介
      大寒や頬紅く子は歩き初む トン子(連俳より)
      風花の花散るごとしはらはらと 洛介
      遠くあり近くもありて冬の星 洛介


    風花の灯火に揺れて落ちにけり 重陽
    枯草を敷き詰めし道柔らかき 洛介
    薄住みの叛かれし顔黄水仙 小春日和(連俳より)
    山深く神々います初詣 トン子
    垣越しに蝋梅の香のほのかなり トン子


      決心のついて安けし寒の雨 トン子
      雪さはに抱けば山の大いなる トン子
      凍雲の燃ゆるがごとき朝ぼらけ トン子
      浮雲の日にぬくもりし春隣 洛介
      新しきペンを揃へつ春を待ち 洛介(連俳より)


    合格の通知の届く冬うらら 青海(連俳より)
    冬の朝友らと励む十五歳 正邦(連俳より)
    病室で節分の豆そっと食べ さくら連俳より)


      大人びた小人のやうな我が子なり小人の故郷はいづこにござる ぽっぽ
      こま犬をじいっと睨みし猫一匹この大寒をいかに過ごすや あつこ


「柊の花」の写真はぴょーとるさんにお願いしました そして柊の花の句を上段へ集めてみました