観音の頬ふくよかで初時雨 KAYO 誰そ彼に影薄くして冬めけり 洛介 いつ散るや日溜まりに咲く帰り花 洛介 冬の朝温かき床蹴り出でませ ぴょーとる
からからと掃き寄せられし落葉かな 洛介 熟れ落ちし実の色も濃き柿落葉 洛介 高層の影暗く伸び冬の川 洛介 カサコソの音は後から枯葉道 fu(連俳より)
シャンソンを聴くあの曲も冬めく夜 Yukuko (連俳より) 空っ風奥の近道猫の道 やんま 雲流れほどけて行きぬ冬日和 洛介 触れる肌いつもと違ふ日向ぼこ 小春日和
旋律の後に残るは冬の夜 あつこ (連俳より) 色付きし葉を舞ひ落とし冬の雨 洛介 木枯しに遠き山影冴え渡り 洛介 日の陰に吹き寄せられし落葉かな 洛介
暮れる日も残る紅葉も朱となりぬ 洛介 雪しまきノラなる女と滅びゆく KAYO (連俳より) 風花や黄昏時の道惑ひ 掬泉 (連俳より) 冬日向辿りて歩く帰道 洛介
遠かりし星従へし冬の月 洛介 落つる陽に紅きさざんか色冴えて トン子 (連俳より) 冬紅葉黄と緋色なる影落とし 洛介 足下をさらふ落葉の舞ひ上がり 洛介
たゆたひつつ朝霧消ゆる那智の滝 トン子 やや厚きセーター選ぶ午後の風 Yukuko 冬黄葉さらに舞ひ来よ敷き詰めよ Yukuko 枯草の優しき色もそよぐ音も 洛介
電飾のトナカイ駈ける X'mas 重陽 朝より文庫を開く日向ぼこ 洛介 かさといふ枯葉の落つる音のして 洛介 (連俳より) よろよろと居場所惑ひし冬の蠅 洛介
低木も紅葉の散りて彩られ 洛介 夜目にただ細々として枯柳 洛介 短日に早や翳り行く窓辺かな 洛介 焼きいもに忙しくなる口の中 青海
京の寺冬枯れよろし尼の装 KAYO 冬雲の乱れて深き空のあを トン子 見て!と言ふ小さき手の中冬苺 ぴょーとる (連俳より) 家々の窓呼び渡り虎落笛 洛介
案内は波にまかせし浮寝鳥 洛介 セーターの袖のほつれの気になりぬ 洛介 枯芝を入り日の撫でる如くなり 洛介 あの邦のあの街角の大聖樹 Yukuko(連俳より)
池巡る時も止まりし初氷 洛介 音たてて瞬けるかな冬の星 洛介 夕風の冷たきことの心地良き 洛介 冬の恋ひとつのポッケで指遊び KAYO
朝霜に昇りたる日の照り返し 洛介 シュトーレン七日待てるか賭けにけり 匙女 消灯の窓辺に青し冬の月 洛介 朝日差す川面にひそと冬の鳥 トン子
ふっと見し手の甲にあり年の暮 洛介 午後の陽にビルそれぞれの日向ぼこ Yukuko 夜の道街灯に息白く見え 洛介 いまふたり終ひの客なり帰り花 KAYO(連俳より)
目を閉じて香にも浸りて柚湯かな 洛介 しろがねのまばゆき冬至の月昇る トン子 ミレニアム日々近づける年用意 トン子(連俳より) 寒空に鳥一羽飛ぶ淋しかり 洛介
残り日と忘れざる日と古暦 洛介 行く年にやり残したる事ばかり 洛介 幕引きは末と云ふべき霜夜かな 小春日和(連俳より) 冬うらら姪の婚約成りしとふ トン子
年暮るる夜の深閑として過ぎて行き 洛介(連俳より) 光陰のいよよ流るる去年今年 掬泉(連俳より) つかの間の風移ろいて奴っこ凧 やんま 元旦の食卓にこそ憩いあり 洛介
三日なり生れながらの華やかさ Yukuko 節のもの添へし弁当初仕事 トン子 過ぎ去れば早や懐かしき三ヶ日 洛介 君がため若菜摘みたし畦遠く 小春日和
読初は忘れてをりし文庫かな 洛介 小寒の空やはらかく蒼みけり 洛介 七種の名を指折りつ呟けり 洛介 冬ざれの大原の里陽の淡く トン子
ただ冬の陽射し女人の陵に満つ トン子 路地わたる風に草木の色冴ゆる 洛介 三寒の続かぬうちに四温かな 洛介 湯豆腐や子は外つ国の旅なかば トン子
吹く風にもて遊ばれし寒雀 洛介 鈍行の窓に差し込む雪の色 正邦(連俳より) 老猫の開けて閉めざる隙間風 掬泉 椋鳥に目白の番追われけり 掬泉
初雪のさらさらと傘叩く音 洛介 閉めること教えて猫の冬日向 KAYO 身をかがめ傘に隠れし寒の 洛介 雪山を抜けて着きたる温泉地 青海(連俳より)
咲きながら散るも爽かに寒椿 重陽 冬草に光を添へる天気雨 洛介 日溜まりを集めてをりし冬薔薇 洛介 寒灯のぽつりぽつりと点り出し 洛介
臘梅の早や咲き染めし香りかな 洛介 寒の雨降る街を見し坂の上 洛介 湯布院や湯豆腐の香はあまかりし Yukuko(連俳より) 大寒に背を伸ばしたる草のあり 洛介
日脚伸ぶ埠頭へ渡る橋の上 洛介 元日の夜空見上げて汁粉かな あつこ(連俳より) 賽銭の頭に弾く初詣 さくら(連俳より) 寒月の煌々として影蒼し 洛介
北風に演奏の音の残りたる 洛介 大寒や頬紅く子は歩き初む トン子(連俳より) 風花の花散るごとしはらはらと 洛介 遠くあり近くもありて冬の星 洛介
枯草を敷き詰めし道柔らかき 洛介 薄住みの叛かれし顔黄水仙 小春日和(連俳より) 山深く神々います初詣 トン子 垣越しに蝋梅の香のほのかなり トン子
雪さはに抱けば山の大いなる トン子 凍雲の燃ゆるがごとき朝ぼらけ トン子 浮雲の日にぬくもりし春隣 洛介 新しきペンを揃へつ春を待ち 洛介(連俳より)
冬の朝友らと励む十五歳 正邦(連俳より) 病室で節分の豆そっと食べ さくら連俳より)
こま犬をじいっと睨みし猫一匹この大寒をいかに過ごすや あつこ
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