秋に入る宣誓の声甲子園
8月7日 土曜 |
大輪のあさがほ咲かす祖父なりき あんなに大きな花は、その後見たことがないような。
わたしが子供だったから大きく思えたのか? その家が今も残っている。 こんなにメジャーになるとは思わなかった伊予の内子。 観光案内に載っていたりして、とっても不思議。 8月8日 日曜 |
掌に重きひと房の葡萄洗ひをり 大粒の濃紫の葡萄。
送って下さった方の、お気持を思うとそれも‥‥ 8月10日 火曜 |
咲くはいづこ私の遠き草の花 「何なの?銅版?」
今朝、友達に訊かれた。 これは、浜松の楽器博物館にあったオルガンの、ベダルの上の模様。
そして、わたしが持っていたオルガンの模様‥‥ 数年前の、思いがけない出会いが忘れられない。 この街へ来る時に手放して、どこかへ行ったわたしのオルガン。 もともとは母のものだった。 それから、子供のためにピアノを求め、 わたしのためにエレクトーンを。 今、あのオルガンがほしい。 8月11日 水曜 |
露草の青き花ふたつわが庭に 庭の隅に。
見つけて、嬉しかった朝。 8月12日 木曜 |
オリーヴの冠揃ひ敗戦日
オリーブは平和の象徴でも。
-連俳より- 8月15日 日曜 |
赤とんぼ車の上に浮きながら 川沿いの道で、毎年最初に出会う赤とんぼの群。
やはり、もう、秋。 いつもそう思う。 8月16日 月曜 |
無花果やなぜか柔道の技のこと
でも、わたしは無花果に掛けられた たれ が何なのか、気になって。 8月18日 水曜 |
台風余波の空気を切るかホームラン
8月19日 木曜 |
秋灯を映して卓の親しさよ
友達より先に着いたわたしは、やはりあのテーブルに向っていた。 カウンターも好きだけれど、 彼女と話すには、ここ。 8月21日 土曜 |
雨音はゆるく響きて秋すだれ 雨に伴い涼しさが。
ほぅっとして、身体も休まるような。 テレビの中は変らずにオリンピックの熱気。 わたしは今日は見たくないな‥‥ 8月23日 月曜 |
虫の音を左右に深く息を吸ひ
エアコンを入れて閉めていた窓を開けてみる。 鈴虫ね! 風もすずしくなっている。 朝からの残暑がうそのよう。 8月25日 水曜
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なつかしき花咲く日近し秋の雲 秋の花ではない。
初夏の頃手に入れためずらしい球根を植えた。 咲くのかしら? すこし心配になった立秋の頃。 葉だけは伸びていた。 昨日みつけたつぼみは、ひとつ。 8月27日 金曜 |
大通り木にまだ青きくわりんの実
背が高く、青い実がいっぱいに生っている。 柿かしら? 初めはそう思った。 違うよね、あの形‥‥ こんなところにあるなんて! 花梨の木。 8月29日 日曜
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野分あと秘密の扉消されけり 庭のないしょの出入口には、外からは分りにくい扉が。
年に数回使うのは庭師さんだけ。 昨夜の風は夜中に南西から吹いていた。 それにしても‥‥あの扉が飛んでしまうなんて! そばまで行って、下を見たら、ちょうど一階ほど違うお隣の庭に、落ちていた。 日頃、お付き合いのないお宅‥‥あとで伺わなくちゃ。 そういえば、越して来た頃にはあの扉、よく使われていた。 高校生だった次男の友達は、土曜日の夜中に玄関を使わないで遊びに来ていたらしい。 そんな日曜日のブランチは賑やかだった。 8月31日 火曜 |
新しき九月カクテルにて乾杯
二つとも杏がベース。 杏露酒とアプリコット・ブランデー。 彼女には挽茶色の、わたしには卵色の。 それぞれのウェアに合わせて、かな。 9月1日 水曜
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秋の潮満ち来れば微かなる迷ひ
9月2日 木曜 |
梨甘しリードオルガンの息づかひ
100000の方はどなただかわからない。 今朝のこと、rikaさんからメールが届いた。 その内容は、わたしにとって、とっても嬉しいものだった。 TOPに使い、八月十一日にここへ書いてもいる、オルガンのこと。 こんなことがあるのだから、 「俳句メモリー」から始めて、七年が過ぎたけれど、 わたしは、やはり、これからも書きつづけていこう。 そう、しっかりと思わせていただいたrikaさんからのメール。 今までに出逢った人達とのことも、次々に浮んで来る。 ずいぶん、多くのものを頂いた。 それから、これがわたしのものだったのと同じ型のリードオルガン。 大正末期の西川製。 9月3日 金曜
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櫨の実や萬斎舞ふと内子座に
9月4日 土曜 |
初めての連弾あかき鳳仙花
「そうなの?」 「ひいてみようかな」 「どうぞ」 途中からそっと一緒に。 なんだか、とっても楽しくなる♪ 9月5日 日曜
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秋茄子の濃き色やがて変る色 焼き茄子って、どうなさってます?
まさか、炭火で、とおっしゃる方はないでしょう。 わたしはオーヴン・トースターを使います。 アルミホイルは無くてもいいのかな、と思いながら敷きます。 5分+5分で出来上り! 「+」のところで、茄子は90度回転、です。 おくさま、お手に気を付けて♪ 9月6日 月曜 |
嵐遠くなるや狭庭の虫集く
誘いはあったけれど、嵐の中を出掛ける気にはならなくて。 今、窓を開けてみたら、虫の音! 行けばよかったかな、新しい店でのジャズ・ピアノ。 9月7日 火曜
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秋の蝶けふは葉蔭にひとねむり 9月8日 水曜 |
うろこ雲人魚は恋のうた歌ふ
久しぶりに名古屋へ行った夜。 ちょっと大きなJAZZの会。 ヴォーカルは牛嶋としこ、マーメイドラインのドレスには白いスパンコール。 スタンダードばかりの、素敵な演奏だった。 9月9日 木曜
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里芋や選挙カー走るあと一日 何を話しているのか、響いてわかりません。
知ってる苗字と思えば、名前がちがいます。 そんな夕方に、わたしは里芋の皮を取っていたわけでして。 明日の夜は、きっと応援演説を聞きに行くのだと思います。 市長選と市議会議員選、です。 9月10日 金曜 |
最終の選挙演説秋扇
会場は冷房が効いていると思ったけれど、熱気でか暑い。 「秋扇」にしては風情がない、って?‥‥わかってます。 9月11日 金曜
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高き音を誘ふ低音虫しぐれ 暑い一日が過ぎれば、夜には虫の音。
やはり秋。 -連俳より- 9月12日 日曜 |
近寄れば売切れ小布施栗きんとん
五階にいる時、アナウンスが聞えた。 「特設売場にて‥‥」 ほしい、とも思わなかったのに、 地下で買物をして、そうそう、と。 不思議なもので、売切れとなると、すこしばかりの残念さ。 9月13日 月曜
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長電話とり止めもなし青蜜柑 9月14日 火曜 |
しあはせのにほひとすべし松茸飯
いただきものの、小さな松茸で二合五勺の松茸ごはんを。 なぜか、2カップ半とは書きたくない‥‥ 9月15日 水曜
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石鹸で小物を洗ふ秋の草 ふと、そんな気分になり、
ハンカチを二枚手で洗った。 二枚とも、お気に入りだからかもしれない。 乾いて行くのも見たくて、 窓の近くの椅子の背に掛けた。 かろやかに揺れ始めたブルーの花柄と、ジム・トンプソンの葡萄の模様。 9月16日 木曜 |
金柑は青しあれから猫の来ぬ
翌日は、つまり一日には来ていたから、二日から。 その訳に気付いたのはわたしではなくて。 あの飛ばされた扉を紐で縛りつけたので、約10センチの隙間がなくなった。 以前だったら、軽く塀を飛び越えてもいたのに‥‥ ガレージの横で寝ているのを見かけたのは何回か。 でもチーコが来ない日がこうも続くと、さみしい。 修理は月末にと連絡があった。 9月17日 金曜
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毬栗や話題かはりてカウンター 箸をとる前に、携帯電話で写す。
ネット遊びをするお仲間だから、それが出来る。 毬栗は籠に入れて飾られてあったけれど、 この中にも焼栗がひとつ。 一人には、今夜か明日見てね!と。 もう一人と、来なかった人は、明々後日に会社で見てよね! 9月18日 土曜 |
百二歳の日舞姿よ葛の花
元気な長寿がテーマ。 百歳のスキーヤー三浦敬三さん、お名前は忘れたけれど日舞の女性。 お二人には目的とトレーニング。 日野原さんは、トレーニングよりはカロリー制限と栄養バランス。 そしてもちろんお仕事。 男性お二人のことは知っていた。 魅力的だったのは百歳を越えての舞姿。 しなやかで、凛として、美しい。 栄養は満たし、カロリーを抑えた食事を与えられたお猿さんは、 普通食の同じ年令のお猿さんより、うんと若くてチャーミング。 わたし、カロリーの摂り過ぎだと‥‥ トレーニングよりはそちらにしよう、っと。 9月19日 日曜
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待ちわたる花咲かぬまま秋暑し
9月20日 月曜 |
夕月の耀ふときににほひけり 9月21日 火曜
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姫胡桃あたらしきことはじめむと
9月22日 水曜 |
秋まつり笛吹きてこどもみこし来る
組長になった年はなにかと当番があり、行ったこともあるけれど、 いつもはマンションに子供神輿が入って来て、あ!という感じ。 今朝もそう。 窓から覗いてみたら、もう通り過ぎた後。 再来年は、一緒に歩くのかも‥‥ この頃は女の子も仲間に入れてもらうらしい。 いえ、むしろ、リーダーだったりして。 9月23日 木曜
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猫の来て十日の月もほの見えて 小さな通り道を見つけたチーコは、今夜も来ている。
雲を分けて、夜中に見えた月。 スリ・マランのそばへ行ってみる。 あの、やさしい匂い。 チーコもついて来た。 9月24日 金曜 |
夕方の急く買物や桃も手に 9月25日 土曜 |
開きしは秋の七草その頁
9月26日 日曜 |
山の端に白き月かげ待宵の
めずらしいな、と、振り返っても夕焼なのかどうか分らない西の空。 東の、雲間に浮んでいる白い月に気が付いて、 そのせいなの? あの空の色‥‥ 9月27日 月曜 |
帳越しに月と語らふ月下香
9月28日 火曜 |
あの駅の懐し台風情報に
テレビはその報道。 吹き荒れているものの、被害はさほどでもないらしい宇和島。 知っている駅舎とはまったく違うけれど、宇和島駅が何度も映る。 始発の準急に乗るために、川沿いの近道を歩いたことなどを思い出した。 9月29日 水曜 |
十七夜風の流れに韻律の
9月30日 木曜 |
秋天へ吹き上ぐる水の白々と
そして、ずっと見たことがなかったような、雲ひとつない青空。 まだ暑いから、川の中の大きな噴水が目を引く。 10月1日 金曜 |
爽やかや声の音色の流れゆき 午後、イオン・モールへ。
セントラルコートでのコンサート 〜秋に想う〜 を聴きに。 「クララベル」はあつこちゃん達のアンサンブル。 活動は知っていたけれど、聴かせてもらったのは今日が初めて。 10月3日 日曜 |
雨冷えの町角歩く人のなし
車は走っている。 午後もそう。 夜もそう。 10月5日 火曜 |
草の穂にふれて近寄るねこの耳
10月7日 木曜 |
無花果を採りしことあり細き枝
新鮮だし、いい味だった。 でも、あの甘さはない。 ふと思う、無花果の木がほしい、と。 植える場所もないのに。 10月8日 金曜 |
約束の流れてしまふ台風圏 お仲間との夕食会。
たのしみにしていたのに、予報が予報だから、「やめましょう」に。 もう直ぐ午後二時。 雨は降ってはいる。 風はかすか。 ??? 10月9日 土曜 |
うんどう会きんもくせいの幼稚園
まだ、つぼみが多いけれど、あまい匂いが風に乗って。 おゆうぎは“Under The Sea”‥‥かっこいいね♪ 10月10日 日曜 |
秋の昼なれば提琴奏鳴曲 秋なのに、「スプリング・ソナタ」など。
何年も聴いていない、千住真理子とE・ハイドシェックのCD。 買ったのは覚えている。 金山の店で、わたしはその頃、ハイドシェックのファンだった。 10月11日 月曜 |
今朝よりは桂の花の香の庭に 10月12日 火曜 |
揺れながら銀杏黄葉となりてゆく 数日前の幼稚園の運動会に、
座った小さな椅子の席は木蔭にあった。 上を向くと、こんなにきれいな銀杏の葉っぱの黄色いエッジ。 初めて見たような気がする。 -連俳より- 10月13日 水曜 |
秋の虹織り上げて来しひとの笑み
秋虹のごとくに立ちてココ・シャネル わたしの好きなEmiko先生もデザイナー。 この街へ越して間もなく彼女を知った。 なんて素敵な服を作る人だろう、そう思った。 お辞めになると聞いて、お店へ。 すこし、さみしそうな笑顔が美しい。 10月15日 金曜 |
耀ける花すすき原遠く在り 山間の道だから、そしてけっこう車も多いからゆるい走り。
多治見から帰るのに約二時間。 海へ行きたかったのにな‥‥ 最初に向ったのは名古屋だから、 気の向くままの、秋空に誘われての一日。 17℃の、窓からの風が快かった。 10月16日 土曜 |
誕生日ですねコスモス日和佳し 10月18日 月曜 |
ひとときのこころ花野に放ちたり 堀文子の絵は、挿絵などではよく見たことを思い出して‥‥ アンケートを書いたら、絵葉書をいただいた。 その中にこの絵もあって嬉しかったけれど、 ネットで見つけて拝借♪ 10月19日 火曜 |
なにを着て行かな韮の実光る夕 暑かった昼間。
急に涼しくなり過ぎた日暮れ。 今夜は小さなコンサート。 ジプシー・ジャズとしながらも「冬のソナタ」のテーマ曲を奏いたり。 細い眼鏡を掛けたら、似ているかもしれない高橋 誠。 好きだったのは「リベル・タンゴ」 10月22日 金曜 |
昂ぶりてねむれぬ真夜は星河なし やはり、いけない。
テレビの地震報道に、 眠れなくなるかもしれないという予感がした。 独りが好きで、のんびりした週末のはずが、そうはならない。 せめて、キラキラした星を見たいと思ったのに、午前三時前の空には雲。 新聞配達の音がした。 今は取りに行かない。 ミルクティーを飲む。 パンを一切れ、蜂蜜をつけて。 さ、思いっきり、朝寝! 10月24日 日曜 |
柚子の実の三つ見つけて嬉しき日 金柑の花が何度も咲き、たくさん実をつけているのは知っていた。
柚子の花を待っていたのに、それには気付かないままで、 だから、今年も柚子の実はないと思い込んで。 これが、その小さな柚子の木の三つ目の実。 10月25日 月曜 |
異国よりの乙女へメール薄紅葉 十月に入ってから日本へ来たという人。
ワルシャワから箕面市へ、大阪外国語大学に留学して。 彼女にわたしの友達を紹介することに。 10月28日 木曜 |
草もみぢ幼稚園バス曲りかど 今日は二度目のお迎えに。
五分以上は待っていたから、こんなものに気が付いた。 街なかにはいろんな模様のマンホールがあるけれど、 こんな、近所に! 携帯を持っていたので写してみる。 10月29日 金曜 |
晩秋の真夜の雷鳴なすがまま
10月31日 日曜 |
三センチ裾丈伸ばす新松子 もういいのよ、と言っても、
お気に入りのワンピースだから、着替えようとしないのね。 濃いグリーンのクリスマスカラー。 ・・・・・・・・・・・ 新松子って、平仮名で書けば、しんちぢり。 青松毬にしたかったのですが、読んでみると音がどうも‥‥ さんせんちすそたけのばしあおまつかさ さんせんちすそたけのばししんちぢり 新松子になりました。 青い松毬は持っていなかったのです。 あの子が庭で拾ったのは、弾けた椿の実。 11月1日 月曜 |
照紅葉ヴィオレッタの声透りたり 第一幕のマリア・グレギーナは声も姿も美しかった。
黄落の際とも二重唱哀し 第三幕の「パリを離れて」に、こんなに心を打たれたのは、初めて。 11月3日 水曜 |
まだ話し足りなく思ふ夜食かな fuさんから電話。
そうとうな長話。 いつもになく、素麺を一把だけ茹でての夜食を。 実は出先での夕食が軽過ぎたのが原因と思いつつも‥‥ 11月6日 土曜 |