目覚しは鳥の鳴きごゑ今朝の秋


文字通りの今朝の秋。

新鮮なグリーンサラダなどの朝食をすませて、
そろそろ蓼科へと思う頃に、台風のことを知る。
空を見れば、雲行きは昨日とは違う。

集まるはずのお仲間もキャンセルらしいし、蓼科は止して帰途へ。

8月8日(火)





海上を台風通り過ぎにけり


風も吹かない。
雨音も、mp くらいで。

8月9日(水)





秋口と話せし母の声のする


TOPに秋草の写真がほしくて、でもモデルがなくて。
思い付いたのが箪笥に仕舞ってある刺繍の半襟だった。
数年前に、故郷の家にあったからと塗りの箱のままを叔母が送ってくれたもの。

子供の頃にはそっと開けて見ていたことがある、若い日の母の半襟。
使ったことのないその何枚かの半襟を、わたしは身に着けてみたかったのだけれど、
その頃は白い塩瀬に決まっていたから。

色無地などの着物に、少しだけ見せて、今なら使えないことはないのかもしれない。
でも、多分、このままになるのだろうと思っている。

手芸が好きだった母が刺したか、そうでないのか。
ほぼ実物大の刺繍は、竜胆の花のよう。

8月10日(木)





無花果やはや薬局も休暇中



8月12日(土)





多分一生することのなし盆用意


手伝ったことはあっても、主になってしたことがない。
友達の話に付いて行けないことを感じる。

わたしは次男のお嫁さんになり、
わたしの実家は神道で、お盆には関係がなかった。

今日、ふと思い出したことがある。
母を失ったのは高校生になる直前の四月。
兄と行った入学式の後、一ヶ月で予定通りの転校。
転校した高校の校長は父だった‥‥決して伸びやかな高校生活ではなかった、ような。

あ、その夏休みの、多分十三日、玄関に僧服の生徒会長が現れた。
「お母さんにお経を上げさせて下さい」とか言ってもらったと思う。
彼は、近くの大きな寺で修行中とは知っていた。

「あのぉ、うちはお盆はないんです、神様ですから‥‥」
わたしはぶっきらぼうに言ったような気がする。
驚いて帰って行ったその人が、おかしかった♪
「お気に掛けていただきまして、ありがとうございます」
などとは言えなかった高校一年生だった。

というわけで、
変った女の子だったし、今は変った主婦になってしまっている。

8月13日(日)





シルバーグレイ終戦記念日首相すら


昼下がり我が道を行く青蜥蜴  正邦

「連俳」の、正邦さんの後で、色 を使おうとは考えていた。
八月十五日だから、明日にしようかなとも。
ところが、ふと、今朝のテレビが浮かんで来て。

いろいろと問題にされている場面だけれど、
首相には戦争の記憶はない筈だと思った。
そういう人すら相当な年齢になっている時の流れ。

私自身は賛成でも反対でもない。
参拝とか墓参の意味は各人それぞれで当然。
それよりも時の過ぎ行くことをしみじみと思う日。
−連俳より−8月15日(火)





左手に抱かれし猫や草の花


外猫チーコは七才になるのか。
冬の頃よりは元気だけれど、背中の怪我が治らない。
薬を買って来て手当てを始めたのは二男。
不思議におとなしくしている。

オキシドールを吹き付けるくらいなら、わたしにも出来るかも‥‥
せっかく用意して来たんだからしてみようかな。

8月17日(木)





こころはづむ雲多けれど秋の潮


久しぶりの海。
それも台風の余波を感じる海。






ヴェネツィアの海、以来?

8月18日(金)





鳳仙花パソコン用の眼鏡落つ


こわれてしまいました。

あわてて眼鏡屋さんへ。
レンズが割れたので、いっそ新しくすることに。
デザインも色も気に入って、とてもお安いのがありました。

五日で出来るそうです、やれやれ‥‥

8月20日(日)





公園に秋蝉の声とジャズが降る


この春から街ではどこからかジャズが流れている。
朝ドラに合わせて、スピーカーがあちこちに取り付けられたらしい。

それはそれで、わたしの好みに合って嬉しい。
今日の夕方は、
軽やかなジャズに、うるさくはない秋の蝉の鳴き声が和して、素敵なセッション♪






実は十一月には、岡崎市で、とっても大きなイベントがあるんですよ!


click Please♪ 

8月21日(月)





椿の実ひとつ添へたし油壺


倉敷の「ギャロップヘアー美容室」の、新装オープンの日。

知ったのは昨夜のメールで。
「とりあえずまず第一にお知らせしないといけないと思いご連絡致しました」
という、とても嬉しい言葉で‥‥

わたしがホームページを持ったばかりの頃、メールをもらったのがその若いオーナーで、
油壺を集めようとしているとのことだった。
検索で、わたしのところが出たらしい。

「2003」の8月20日に書いてもいるけれど、
父が蒐集していた油壺の半分ほどは彼のところへオヨメイリした。

美容室でいつか展示したい、という熱意に感じるものがあったから。
それに、父は旧制高等学校時代を岡山で過ごしている。
もう一つ、義父は倉敷に近い庭瀬の出身で、わたしも数年毎にその墓参に行く。

今朝、わたしはメールではなくて祝電を届けた。
この句を書いて。

彼のコレクションの中には、いくつかの見覚えのある油壷が並んでいる。
所を得たその油壺たちは、オヨメイリしてしあわせになったと思う。

いつか、その「和」の雰囲気のお店へ行ってみたい。

8月22日(火)





燈火親し臙脂の眼鏡かろきこと


五日で出来上った新しい眼鏡。
電話があったからすぐに取りに行く。

こんなに見やすいのだったら、毀れてよかった‥‥

8月25日(金)





矢作川近き道なり稲穂黄に



8月28日(月)





桃の実やポスターくるくる巻きてをり



8月29日(火)





花紫蘇やをんな三人とシャンパンと



8月30日(水)





秋の雲今宵LIVEは丘の上


「歌うミラーボール、三槻直子です♪」
自己紹介から愉しい彼女は、スパンコールいっぱいの黒いドレス。
初めてそのボサノヴァを聴いたのは十五年くらい前。
そして、長男の結婚披露の二次会、というか、翌日のパーティにも来て頂いたことを思い出す。

バンドも、もう親しいトリオで、
今夜の会は久しぶりにあたたかく楽しかった。
珍しく打上げにも参加して、でも、以前のようにシンデレラ・タイム(?)にはならない。

8月31日(木)





ここのとせ過ぎしこの日の有の実よ


わたしのホームページを作ってもらったのは1997年の春だった。
油壺のページと、俳句を少しと写真のページで。
それをベースにして、わたしはインターネットの世界におずおずと入り、
素敵なサイトに人に出会って行った。

どんどん変化する方達のサイトを見る楽しさに、
わたしのも更新したくなって、思いもしなかったことを始めたのがその初秋。
書き方からFTPの仕方まで教えて下さった人には感謝している。
とにかく、新しいことにワクワクしていたと思い出す。

それから、それから、いろんな方に仲間に入れていただき、
たくさんのことを教えていただき‥‥
今日から十年目が始まる。

この梨は若いお仲間からの、思いがけないプレゼント。
最初に書いたのが山茶花の実の句だったから、今日の句はこれ!と。





9月1日(金)





酸橘しぼる今日から二週間は留守


9月4日(月)





をとこへしワルツしなやかに踊りゆき


二年も休んでしまっていたことを再開して、二ヶ月。
やっと、たのしいかな、という気分になって来た。

夜だからいいけれど、暑い!
暑くても平気な顔で練習に余念のない人達も。

若さを眩しいと思う。

9月5日(火)





十五夜は小高き丘にさそはれたし


 三十峰(みそっぽ)の峰より出づる雲は秋  fu
 秋の夜にふと何思ふ四十路前        正邦

二つの句に続けて、「五」の字を使いたかった。
結婚をと書かれた正邦さんに、
少しばかりロマンチックにしてみて‥‥

今年の仲秋の名月は来月とか。

−連俳より−9月7日(木)





まろき月の下開かれし頁なり


小高い丘のレストランへ行きました。
今日はわたしが誘ってです。

お月さまには、やはり兎が居ると思いました。
ごくふつうの小さなデジカメでも、そんな風に写りましたもの。






今日の句ですが、
月の光で本を読んだのではなく‥‥♪

今夜、あるサイトができました。
ご覧いただければ嬉しいです。
あ、トップページにもバナー(?)を貼りました。
(けれど、もう、イベントは終りましたので、リンクも終了です -立冬の日に-

9月8日(金)





この曲はあうふたくとね返り花


庭で、ピンクの色に気付いて。
近寄れば、切り戻して伸びて来た紫陽花の葉の先に、花!






部屋には、なにやら五線紙に書き込んでいる女の子。
デジカメを持ち出して花を写したら、次は8小節のメロディーにおつきあい♪
そんな日曜日の午前中。

9月10日(日)





弁当箱包む午後なり秋の雨


簡単にと思っても、あたたかいご飯にはふりかけ海苔を。
冷凍してあった太刀魚も焼いて。
小松菜の卵とじ。
届いたばかりのピオーネ三つ。

あったかしらと探せばお弁当箱もあるし、その風呂敷も。
久しぶりに作ったお弁当。

9月13日(水)





柚子味噌や人混みに在るここちよさ


友達と二人で八丁味噌の店へ。
賑っている。
この街で、こんなに人の多い店は他にないので、旅先かと錯覚が起きる。
なんとなく愉しい一時間。

9月15日(金)





むなしさは解き放つべし鰯雲


今朝の「純情きらり」の櫻子を思い出した。
白無垢の花嫁衣裳。
戦争直後にあんな花嫁姿があったのだろうか?
ドラマでは戦時中に用意された、というおはなしになっていたにしても。

ともあれ、可愛い女優さんだとは思っていたけれど。
花嫁姿の今日の彼女は美しかった。
こんなに美人だったの?

あの主人公達は、今まで生きているとしたら、八十歳を越えているだろう。

9月16日(土)





秋麗や岡崎城の浮く夕べ


9月17日(日)





南瓜煮るフランス料理の昼食後


掌に乗るような小さなかぼちゃ。
子供の頃には、なんきんと言っていたと思う。

二人の食卓には、この小ささがいい。
小粒で美味しい。

愉しかったランチは、何年ぶりかで、あつこちゃんと。
あつこちゃんはもう完璧に、美しい若奥さまで!

9月20日(水)





照葉色散りばめ新聞広告は


9月21日(木)





QRコード写らぬ秋の燈に


なんのこと?ですね。

店の暗い照明の下で、誰かが雑誌に載っているQRコードを写してみた。
それだけなんですよ。
ええ、明るい所へ行けば撮れましたよ。

9月23日(土)





栗を剥く携帯電話の長話


茹栗の皮を剥くの、上手なんです。

食べなさいよ、そう言っても知らん顔の、長話。

二十年ほど逆もどりしたみたいな、ヘンな時間。
9月26日(火)





弦月の形に見えてさきそふぉーん


ライヴハウスの階段を降りたのは、もう十一時を廻っていた。

やはり、夜遊びが好きなわたし。

9月28日(木)





秋の声ファッション誌手に待合室


「60年代を思わすコート」などとある。
なんだか懐かしいシルエット。

そんなに前ではないけれど、作ったコートはこの数年着ていない。
とにかく、長い丈のが流行ったから。

今年はあの紺のコートを着ようと思う。

9月29日(金)





されどされど哀れ花梨の実は青し


久しぶりに友達と行ったイタリア料理の店には、暮色の中に花梨の実が。
木も大きくなり、実の数も多そう。

それにしても、
今朝の、ドラマの終り方はないと思う。
原作「火の山」の深さを伝えられないのならば、アン・ハッピーエンドにしてはいけない。

もう、朝ドラは見ないことにする。

‥‥それに、一度も咳をしない結核患者、って、あれ何?

9月30日(土)





街角の情報センター秋の雨


商店街にある、高校生達も運営に携わっているという小さな場所。
来月のイベントに使わせてもらうことになったので、入ってみた。
パソコンが五台ほど並んでいた。
触ってみて、ある掲示板に書き込んでみて‥‥

当日は持ち込み、かな。

10月1日(日)





サラダには桃テーブルに美女ふたり


三十代のふたりは、学生気分ねと話している。
その頃にもどった気分なのは、よくわかる。
わたしもひとむかし前と変らないような感じで。

でも、彼女たちは、もう素敵なヤングミセス。
そして、ちらちらとママらしい雰囲気も見える。

なんて素晴しいランチタイム!

10月2日(月)





稲穂垂る天井にまろく描かれて


今日の会場は名古屋、八事の料亭の二階。
大広間には絨毯が敷き詰められて、円卓が並べられていた。
正面には能舞台。
わたしが興味を持ったのは、格天井の美しい絵。

なんとか、その一つを載せてみたくて。



click Please♪

10月3日(火)





うすごろもはやもはらひて望の月


雨続きの数日に、仲秋の名月は諦めていた。
夜、八時前に出掛けようとしてドアを開けたら、お月さま!
雲のヴェールを被っていらした。

戻って、庭へ出てみると、美しいお姿が‥‥


「連俳」の順が来ていたので、こんな風につづけた。

  幼子をコスモスの花見下ろして   正邦
  雨雲の去れば見上ぐる望の月   Yukuko

10月6日(金)





臥待の月に明日のにぎりめし


明日の朝は早いから、
おにぎりを持って行こうと思い付いた。
ジュースでも飲んで出掛けて、バスで食べればいいんだわ。

10月10日(火)





竹の春雨後の敷石つづく路


松花堂の庭園には椿が多いそうだが、今日はいろいろな竹が印象的で。
キンメイモウソウと書かれた竹林は明るかった。
調べてみたら「金明孟宗竹」とある。

なんだか、かぐや姫のお話はこんな竹から始まったのかもしれないと。



  
10月11日(水)





七五三とってもおしゃれでうれしいな


実は、わたし、このところ俳句が作れません。
賑やか過ぎてなのでしょうか。
パソコンに向かえばほかのことに手を付けてしまうから、でしょうか。

午後、数え年七歳の女の子と、ママと、三人で呉服屋さんへ行きました。
紫色の、菊の模様の着物に赤い地に御所車の帯‥‥

それを着せてもらって鏡に見入っていた彼女の句です。

お店の床に掛けてあった軸は秋桜子のもので、
ご主人とわたしが話していたからかもしれません。
その、秋桜子の俳句は、

  菊畑や虫鳴く‥‥月‥

その句を完全には覚えてないのですが、どういうわけか、季語が三つある句でした。
三つが不思議に魅力的だと思いました。

ということで、今日は私の句ではないのです。

着物を着てみて嬉しくなった女の子は、「俳句書く」と言って紙に書きました。
ちゃんと季語も入っています、偶然でしょうけれど。


見えます?
文字の横に数字が♪


ネタ切れのわたしはいただくことに致しました。  

10月14日(土)





マンションに住むことわすれくつわ虫


暑い一日だったから、夜も窓を開け放つ。
だから今夜は思いがけない虫の音を聴いてたのしい。

庭があるから、それほどの草むらとは思えないのに響く虫の音。
木造の日本家屋に住んでいるような、そんな気がしてくる。

  
10月17日(火)





酔ふままに中華古酒にも夜景にも






10月18日(水)





銀杏を拾ふ話の身振りかな


名古屋に住む友達は、夕食後にワンちゃんと散歩に出るらしい。
そのグループは三人で、数十分のおしゃべりタイムでもあるそうな。
最近は、その上に銀杏を拾うこともプラスされたと。

なんでも、落ちている銀杏では間に合わないので、
「棒で叩き落とすのよ」と話す。
夜だから出来ることだけど、と笑っていた。

さっと茹でて冷凍しておけば、お料理のグレードが上るとも。

  
10月19日(木)





数珠玉やわれには羨しあねいもと


渡したい物があるので電話したら、直ぐに出て来てと誘われた。
彼女はあたたかい感じのお姉さんと一緒で、三人でティータイム。
言いたいことを言いながらの仲良し姉妹。

懐かしいような、ほっとする時間だった。

10月20日(金)





雑音の携帯電話ねこじゃらし


この間から、わたしの携帯電話は聞えにくいと言われていた。
そろそろ替えなければいけないかも、と思いつつ‥‥
今日はもう、わたしが嫌になるような雑音。

ストラップのビーズ玉が揺れると、このせいかしら?などと思ったりして。
  
10月23日(月)





秋うらら取替へて来し電話掌に


DoCoMoショップへ行った。
「テストしますね‥‥あ、ひどいノイズですねぇ」
そう言った女の子はプレミアクラブへの加入を勧めた。
手続きは「イエス」だけ。

それだけで、私は新しい同じ型の携帯電話を渡してもらった。
メールや本体に入れていた画像・MIDIは消えたけれど、ま、いいとして。

なんだか楽しくなって街へ出る。
好きだった呼び出し音にしていたMIDIは、またパソコンから送ればいいし。
付けてもらったストラップもきれいだし。

10月24日(火)





懐旧談そこそこ紫藷タルト


Cafe comme ca
なにか不足のフランス語♪
この街にもあるお店です、一度入ったことがあるくらいの。

そこへ友達二人と、急に行くことになりました。
明るいオール硝子の店には大きなタルトが並んだケースが。
大きさに圧倒されながらも、あれこれと迷いはします。

テーブルに付いてからオーダーしたのは、
最初に眼に入ったこのケーキ。
むらさき藷を最初に知ったのは、シンガポールかクアラルンプールかのアイスクリームでした。



  
10月26日(木)





色変へぬ松に天守の見え隠れ


いつもとは違う行き方で、丹塗りの橋を渡って岡崎城へ。
桜紅葉もまだちらほら。
少しだけの階を登って左に曲った途端、目に入った眺め。







10月29日(日)





秋澄むやある新聞の一頁


11月1日(水)





それとなき会場巡り秋蘭ける







11月2日(木)





楽しげに彼女は踊る星月夜



11月3日(金)





照紅葉同級生と立つ広場


11月4日(土)




窓越しに歌ごゑ響く冬隣


二日間のイベントに、わたしは裏方。
会場へ入ったのは三槻直子さんが歌った喫茶店。
それからもう一つは池田篤さんグループの素敵な演奏。(ひみつのツーショットありです♪)

会場情報のシステムを作って下さったKさんに代って、
今日はしばらくの間その作業もしてみた。
ドキドキしながらも楽しかった。

夕方、街を廻ってみた。
あるクリニックでは丁度Dr.ベースマンも参加しての演奏で、入り口から。
ビルの中の喫茶店では愉しげな歌が外まで流れて来た。
ほとんどの会場の満席情報はとっくに見ていたけれど。






11月5日(日)


Summer