俳 句 メ モ リ ー












冬の虹架れば橋を渡りたし




コーヒーに打明けばなし春隣




毛糸玉やさしきひとの膝元に




春立つ日女児誕生のはづむ声




冴返る思ひ出したき歌ひとつ




ロビーには菜の花の鉢整列す




早春のオリンピックに藁の神




受験生持つ母屈託なく笑ひ




チョコレート買ひて余寒の街に出る




凍返る夜を華やかにフィギュア舞ふ




プリムラもオリンピックの色で咲き




小さき手に棘ある海胆を持ちしこと




春風のやうジーンズの責任者




チョコレート渡しもせずに恋の猫




諦めし旅の明るさ春帽子




啓蟄やちひさなちひさなみどりいろ




信濃路に色あざやかに蝶舞へり




如月にバンドネオンの宵もあり




ふきのたう想ひの幾つほろにがき




春めきてチャチャを覚えし金の靴




うす紅の椿咲きつぐ微笑まむ




壮大に春の夜空へ花火咲き

冬季五輪閉会式は踊りの輪

浅き春三つの国の旗、国歌

2月22日(日)




レタスちぎる今宵も白き皿の上




私をとうすむらさきのフリージア




目刺青く光りて並ぶ店の端に




パンジーにあるは三つの物語




頬染めて頬寄せ合ってチューリップ




沈丁の襟元白く咲きにけり



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