俳 句 メ モ リ ー











たんぽぽのふわふわ白き夢のとぶ




花冷えや言葉も空も美しき




アネモネの図柄描かれしティーカップ




懐かしさをも贈られて山躑躅




花衣まとひ行きたし御所の庭




糸柳誘ひて揺れて紅しだれ

4月6日(月)



花束を抱きし友の春袷




聞こえます?満天星の花の鈴の音が




夜なべして飯蛸を煮ることとなり




木の芽和より始りし京料理




打ち放しへと春睡を振り払ひ




春の服にすら出会ひといふものの




細魚なほ細く切ることたのしみぬ




春暑し濁流の河眺めをり




草引きを諦めさせる名草の芽




七色の夢閉じ込めてしゃぼん玉




夜へ一歩蛙の声は響きたり




春時雨同級会は船の中




藤波の文様 染織展の女




ひとときをビルより出でて青き踏む




躑躅日ごと日ごとに紅し国道は




初蝶をまだ見ぬことに気付きけり




肩にふと寄りかかりたき春の泥




五月近しデパートにある花園へ




春の闇草の馨りは湧き出でて




風車ベビーの碧き聡き眼よ




旅仕度明日からは常夏の邦




雲の峰はるか眼下に連なりて




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日焼けして美しき肌むき出しに



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